もし、家にいるときに巨大地震が発生した場合、30分が経過すると?
揺れがおさまったら
夜に発災したとします。
余震が予想されるので、家族にケガがないかを確認して、家の中が安全かを判断するでしょう。でも一度は近所に火事が発生していないか、はチェックします。
家屋は凶器にもなります。次の余震には持ちこたえられない様相であれば、また安全でも家を離れる場合には、ブレーカーを落として行きます。
できればブレーカーは災害時に自然に落ちるように工夫をしておくとよいでしょう。手が届かない、ブレーカーまでたどり着かない、ということもありますので。
「災害対応 ブレーカー 落とす」で検索すると安価な商品が出てきます。
若くても災害弱者?
上記は、自分と家族の命を守る「自助」の動き。
ご自身がケガがなければ、近所の声かけをします。「近助」です。
たまたま何かの下敷きになって、自分自身が身動きとれない場合もあります。それに備えて声かけをしてくれる人を予め作っておかなくてはいけません。
たまに地域住民や大学生などに地域防災の取り組みを報告することがあります。
「今地震が発生したとして、何かの下敷きになって身動き取れない。火が回ってくるかも。そんな時に、大丈夫か!と見回りに来てくれそうなご近所の人が3人くらいいますか?では様子を見に行ってやらなきゃ!と思う人が3人いますか?」
と尋ねます。「いる」という大学生は少ないけれどいます。大人は少し増える程度。
「いない」という人は災害弱者ではないか、と問いかけます。
「親が子どもに残すべきものは・・」
この災害大国日本で、親が子どもに残すべきものは?
年収何億などというレベルではなく、必要な情報がなんでも向こうからやってくるような本当の金持ち(日本に何人いるか知りませんが)なら、災害対応も心配ないかもしれません。
ですが、圧倒的大多数の市民に必要なのは「ネットワーク」です。
特に災害時を乗り切るのは「近所のリアルなネットワーク」。子どもがいるのであれば尚更です。
これはお金で買えない部分が大きいので、備えが進みにくいです。
知性の高い人がいるマンションだと、管理組合で「災害対応マニュアル」を作成し、加えてイベントなどでコミュニケーションの活性化にも尽力されています。
「近所付き合いが嫌でマンションに入ったのに」という声も聞きますが、それとこれは別次元です。
声を掛け合える、必要な会議ではちゃんと協議し合える、そんな住民が多いマンションは本当の資産価値が高い、と言えます。
戸建ての場合は、地域によりネットワークの歴史が違いますが、今日からご近所さんを作っていく努力を始めてください。お子さんが「〇〇さんちの子」と認識されるように手を尽くしてください。
幸い、私は祖父の代から同じ土地に住んでいるので、そこはとても楽ちんでした。
ご近所さんは、結構「因業(いんごう)な」人がいますし、余計な干渉もしてくるし、噂話もあります。でも私も同じですから、お互いに「しょーがないなー」と言いあって気長に付き合っています。平時は因業であろうが、嫌な人であろうが、非常時は全く違う力を発揮し合うのですから。
最初の30分以降は、近所の人と生き延びてください。
地域防災の内容はあまりに広く深く、「これさえやっておけば良い」というものもありませんが、街中では助け合う人が必要です。
次回は発災後3時間について。